中川村自衛隊協力会で申し上げた挨拶

2017 04.30

 昨日、中川村自衛隊協力会の総会が開かれ、村長として招かれ、挨拶の機会を頂き、以下を申し上げた。

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 関係する大勢の皆様が集われて、中川村自衛隊協力会の総会が開催されましたこと、真におめでとうございます。

 このところ自衛隊をとりまく情勢は、緊迫の度合いが急速に高まっていると感じます。

 南スーダンでの活動では、政治的な思惑や永田町のメンツ、安易な答弁のつじつまあわせが優先され、そのしわ寄せが現地で身体を張って活動する自衛隊員に集中しているのではないか、緊迫した状況の中で合理的でない対応を強いられているのではないか、と心配します。撤収の方向が出されましたが、すべての隊員が無事に帰国できることを祈ります。

 日本周辺に目を向けると、北朝鮮がミサイル開発を進め、アメリカ本土を射程距離に納めそうな情勢に、トランプ政権は慌てており、そうなる前に北朝鮮を叩いてしまおうと考えているように見受けられます。そうなれば、北朝鮮は、在日米軍基地を報復の標的とするでしょうし、原発も狙われるかもしれません。日本には誰も住めなくなる可能性もあります。アフガニスタンやイラクで米国が行ったことによって、中東全体が極めて悲惨な混乱に陥っていますが、極東も中東と同じになりかねません。

 冷戦期、在日米軍基地の存在意義として、ソ連の核ミサイルの目標となることで、アメリカ本土への攻撃を分散できるという説明が、アメリカ議会でなされたそうです。「軍事同盟は抑止力としてよりも戦争を拡大する導火線として機能する」という言葉も聞いたことがありますが、今や日米安保こそが、我が国の危険の元凶になっています。

 政府与党と外務省は、自衛隊員を危険に晒すことで外国にいい格好をしようとするのではなく、国民を守るために、英知の限りを尽くした外交努力を行い、真剣に働くべきです。

 自衛隊は、本来の専守防衛と、国の内外を問わない災害対応によって、世界中の人々から尊敬され信頼される存在になれると信じます。そのような形で自衛隊が活躍し世界に貢献することを祈念申し上げて、お祝いのご挨拶と致します。